田崎統計力学

お正月に実家に帰って見つけた統計力学1(田崎晴明著)の教科書を持って帰ってきて読んでいます。

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈1〉 (新物理学シリーズ)

 


これ、学部時代にもちょっとは読んでいるはずなのですが、今読むとめちゃくちゃ面白い。この本を読んでいて、なんで学生当時に、複雑系とか非線形科学スルーして素粒子宇宙論に進んじゃったのかと、悶々としながら読み進め、そろそろ1が終わりそうです。
(素粒子宇宙論がどうのこうのという話ではなく、進む専門分野をもっと広く検討していれば、企業の収集するデータで面白い複雑系の研究が将来できるようになることにも、早くから気付けたんじゃないかなぁという妄想の話です。それでも多分当時は素粒子物理に進んだと思いますが。。)
 
特に、最初〜4-1「平衡状態の本質」あたりまでは、統計力学の精神がわかりやすく解説してあり、その考え方自体は熱力学への応用のみをスコープにしたものではなく、理論構築のお手本として純粋に読書感覚で楽しめました。大量のwebデータから何かしらのダイナミクスを研究したいと企んでいる今の自分の状況にマッチしていたというのが大きいかもですが。自分の抱えている問題に対して、独自の統計力学を構築してみたいと思う反面、統計力学の熱力学への応用ほどマクロとミクロがくっきり分けられるケースは、生物が構成物として登場する現実世界の系ではほとんどないため、マクロな理論構築のために、ミクロな世界の描写をどこまですればいいのかが難しいんだよなぁと思いつつ、本の中で綺麗に導出されていくモデルを眺めています。
ちなみに、「新ネットワーク思考」や「バースト」の著者のバラバシなんかは、このマクロな性質の見つけ方が上手く、去年はバラバシの論文も読み漁っていました。
 
田崎統計力学は有名な教科書なので、学部時代に目を通している人からすれば、今更何を言っているんだということになるんですが、改めて読んで感激したのでメモっておきます。どうせまた忘れちゃうと思うので、1読み終わったら骨組みをまとめておきたい。あと2もポチってます。グランドカノニカル分布だけ読んで終わるかも。

統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

統計力学〈2〉 (新物理学シリーズ)

 
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

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バースト!  人間行動を支配するパターン

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